幼稚園と保育園の違い

幼稚園と保育園の違いと今後について~制服の有無という側面から

多くの幼稚園には制服がありますが、一方で多くの保育園にはありません。その理由は様々に考えられますが、まずはそれぞれの目的の違いというものがあると思われます。幼稚園は文部科学省の管轄で教育を目的としており、保育園は厚生労働省の管轄で養護、養育を目的としています。そのため、幼稚園は教育を受ける場として中学校や高等学校のように教育を受けるにふさわしい文化人としての「制服」があるのだろうと考えられます。他方、養護、養育を目的とする保育園は家庭の代替である生活の場としての役割を果たします。そのため、幼稚園と比較すると一般的に滞在時間が長く、生活が強いという側面があります。生活の場である家の中で、家族みんながきちんとした同じ服を着ているといううち人はまずないだろうと思いますが、同様に園でも制服を設けないところが多いのでしょう。また、戸外での遊びも含めて自由遊びの時間が長く、昼食や場合によっては夕食、午前のおやつ、午後のおやつなど、「食べる」回数も幼稚園よりも多いでしょう。さらに、午前睡、午後睡というようないわゆるお昼寝もします。そのため、制服を着ていると不便であるという現状があります。幼児が一日中、制服を着て過ごすとなれば、当然、一日一着では足りず、それに加え、毎日洗濯しなければなりません。

これに比べ、教育の場としての幼稚園では時間によって比較的細かいカリキュラムが定められているところが多いでしょう。座って取り組む活動やその他の静的な教育活動も少なくありません。このようなときには制服で行うことができます。また、体を動かす活動の際には運動着に着替えたり、製作のような服が汚れるような活動の際には製作着に着替えたりして対応することができます。さらに、入園年齢は一般的には3歳からなので、0歳から入園することのできる保育園と比較すると服が汚れる機会も少ないでしょう。

ただし、昨今の幼保一元化の流れの中で、幼稚園と保育園の境界は曖昧になりつつあります。そのため、あらゆることがこれまでのような括りでは通用しなくなっていくでしょう。また、保護者のなかには、わざわざ金額の高い指定の服を購入する必要性を感じない、あるいは、購入したくないと考える人もいるかもしれません。いずれにせよ、今後、幼児の教育、保育はこれまでの枠組みとは異なるものに変化していくものと考えられます。そのなかで「制服をどうするか」という議論も深まってくるでしょう。